Japan Association for Medical Informatics

[3-J-4-03] 脳卒中患者の復職支援システムのための就業能力アセスメントシートの作成

*Tomomi Yamaguchi1, Kyoko Ishigaki1, Miki Takami1 (1. 兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)

stroke patients, return to work, employment support system, employability assessment

脳卒中は他の疾患と比べて就業能力に対する直接的影響が大きいため医学的に退院時復職可能と判断されても復職できないことも多い。脳卒中患者(以下、患者と略す)の就労支援では、医療機関での言葉「疾病性の言葉:病名や症状や治療に関する事象」と企業での言葉「事例性の言葉:患者が就労した際に業務遂行上で支障となるうる客観的な事実」でコミュニケーションされていることが就労にとって最大の壁となっている。復職支援のために、企業での言葉である事例性の言葉を使用して、患者・家族、企業、就労支援担当者が、患者の後遺症と就業能力を同じように理解・把握できるためのアセスメントシート(以下、シートと略す)の作成を行った。シートを使用する対象は身体障害と高次脳機能障害の両方の後遺症がある患者とした。シートは、基本情報(氏名,生年月日,診断名,発症日等)、後遺症(麻痺,失語症,高次脳機能障害等)、ADL・IADL、発症前の仕事状況(通勤手段・時間,職位,職種,業務内容等)、利用できる制度(介護保険・障害福祉サービス,障害者手帳,障害者年金等)、雇用側の情報(業種,従業員数,復職に向けた相談窓口,就業規則,時短勤務制度・フレックスタイム制の有無,配置転換・職務内容変更の可否等)、就業能力アセスメント表からなる。シートは患者が1人で通院できる状態になった時から使用し、最初は患者・家族、就労支援者で就業能力アセスメントを行い、職場でのリハビリ出勤開始時に企業担当者も参加して職場環境内での就業能力アセスメントを行う。アセスメントは発症前の業務内容をもとに発症前の業務遂行状況と比較して、「発症前とほぼ同じようにできる」「職場環境を調整すればほぼ発症前と同じようにできる」「発症前より時間がかかるができる」「できない」で評価する。将来的に患者・就労支援者・企業間をオンラインでつなぐことを考えている。