Japan Association for Medical Informatics

[3-J-4-04] インターネット検索状況を用いたヘルスリテラシーの定量化について

*masashi yamada1, Ai Komada2, Takako Kumagai3 (1. 青森県立保健大学健康科学部看護学科, 2. 三重短期大学食物栄養科, 3. 青森県立保健大学健康科学部栄養学科)

health literacy, health information, internet search, query, social epidemiology

健康増進や疾病の予防におけるヘルスリテラシーの重要性は広く認識されるようになった.都道府県単位,市町村単位で住民のヘルスリテラシーが客観的かつ定量的に把握できれば,ヘルスリテラシーの啓発活動やその効果を測定する際に非常に便利であろう.ヘルスリテラシーを計測するための尺度は多数開発されているが,いずれも質問紙を用いた主観的質問項目から構成されたものであるため,ヘルスリテラシーを客観的定量的に評価することは困難である.従って,客観的定量的にヘルスリテラシーを測定できる方法を開発することが望まれている.ヘルスリテラシーはソーレンセン(2012)によれば「健康情報を入手し,理解し,評価し,活用するための知識,意欲,能力であり,それによって,日常生活におけるヘルスケア,疾病予防,ヘルスプロモーションについて判断したり意思決定をしたりして,生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの」と定義される.ヘルスリテラシーはこれ以外にも種々の定義があるが,いずれの定義においても健康に関する情報を収集する能力は必須となっている.つまり,健康に関する情報を収集する能力の有無はヘルスリテラシーの必要条件であり,これを持たなければヘルスリテラシーは無いといって良いだろう.健康情報を収集する方法は様々であるが,近年ではインターネット検索が主たる方法になっている.従って,検索状況を基にしてヘルスリテラシーを適切に把握できる可能性が高い.本研究ではGoogle社が提供しているGoogle Trendsというサービスを用いて,健康診査に係る用語の検索状況を都道府県別に調べ,これらの用語の検索が闇雲に行われている訳では無く互いに関連を持って行われていることを示し,さらにその結果を用いてヘルスリテラシーの計測するための検索語の選択方法について検討し,ヘルスリテラシー値を定義した.