Japan Association for Medical Informatics

[3-J-5-01] 徳洲会メディカルデータベース(TMD)の活用実績とデータカタログ作成

*Naoya Uematsu1, Atsushi Manabe1, Hideki Fukuda1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Takeki Ohashi2, Kou Fukuda2, Shinichi Higashiue2 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 医療法人徳洲会)

Database, Medical database, Data ware house

背景・目的 徳洲会グループは現在約400施設(病院・クリニック・介護施設等を含む)を全国に展開し, 70病院には統一された電子カルテを導入している. 我々はその70病院が有する累計1,400万人を超える患者の医療データ(TMD)を保有し, 国の事業であるMID-NET, 企業, 大学へデータ提供を行っている. また, TMDと病院のバックオフィスデータを用いて, グループの病院運営管理ツール(BIツール)を構築している. さらにTMDの臨床データを用いてCOVID-19重症化予測AI等を開発し, 医療DXにも取り組んでいる. TMDを臨床研究に利用する際, TMDに含まれる症例数等のフィージビリティ調査を行うことも多いため, 入院・外来患者数, ICD-10大分類による疾病別件数, 術式分類別件数等を把握できるTMDのデータカタログ(以下カタログ)を作成した(医療AIプラットフォーム技術研究組合助成). 本稿では, TMDを用いたデータ活用実績とカタログを紹介する.
データ提供方法とカタログ作成方法: データ提供は, グループの共同倫理委員会等の審査を経て, 患者から適切な同意を得たデータを抽出・加工し提供している. カタログは, 2020年に来院履歴がある入院・外来患者を基に, 性別や病名等を65病院から抽出し作成した.
結果・考察 MID-NETへ10病院のデータを提供しており(2024年20病院提供予定), TMDを用いた年間研究数(グループ内・外)は300件に上る. カタログでは, 2020年1年間に入院・外来患者数は140万人に達し, 疾病別では循環器系160万件, 消化器系140万件, 内分泌代謝系100万件が症例数の上位を占め, 癌の症例数は30万件, 心・脈管の手術数は4.5万件に上る. 今後TMDを用いた臨床研究だけではなく, 薬剤オーダデータを用いた需要予測AI等も開発し, 市場の薬剤流通安定化を図りたいと考えている.