一般社団法人 日本医療情報学会

[4-A-1-01] 医療DXの取組と全国医療情報プラットフォームの今後

*田中 彰子1 (1. 厚生労働省 医政局 特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室)

政府における健康・医療・介護分野のデジタル化推進の取組みとして、データヘルス改革推進本部において、令和3年6月4日にデータヘルス改革工程表が示された。厚生労働省では、個人・患者自身がマイナポータル等を通じて自身で保健医療情報を把握できるようにすることに加えてユーザーインターフェースにも優れた仕組みを構築するとともに、患者本人が閲覧できる情報(健診情報やレセプト・処方箋情報・電子カルテ情報・介護情報等)を医療機関や介護事業所でも閲覧可能とする仕組みの整備を推進しているところである。また、データヘルス集中改革プランにおいて、全国医療機関等で確認できる仕組みとして、自身の保健医療情報を活用できる仕組みを拡大し、対象となる健診等の拡大を順次進めている。 さらに、令和4年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」において、「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化等」及び「診療報酬改定DX」の取組を行政と関係業界が一丸となって進めるとの政府の方針が示されたところである。医療分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じたサービスの効率化・質の向上を実現することにより、国民の保健医療の向上を図るとともに、最適な医療を実現するための基盤整備を推進するため、令和4年10月12日に総理を本部長とし関係閣僚を構成員とする医療DX推進本部が発足し、医療DXの実現に向けた検討が開始された。その後、令和5年6月2日の第2回医療DX推進本部会議において、医療DXに関する工程表を策定し公表され、2023年度中に医療機関や薬局との間で電子カルテ情報等を共有・交換する仕組みである「全国医療情報プラットフォーム」の開発に着手することとされている。 本演題では、医療DXにおける全国医療情報プラットフォームや電子カルテ情報の標準化等の最近の取組みについて紹介する。