Japan Association for Medical Informatics

[4-A-4-02] 医療情報技師の観点からの医療分野のISACの必要性

*Takumi Tanikawa1 (1. Hokkaido University of Science, Faculty of Health Sciences, Department of Radiological Technology)

医療現場のサイバーセキュリティへの対応においては、診療現場の業務プロセスを十分に理解していることが重要であり、現在約15000名が活躍しており、半数程度が医療機関で勤務している医療情報技師の活躍が期待されている。現代のサイバーセキュリティの脅威に対応するためには、最新の情報を効率的に収集し、自施設のリスクを適切に評価し、対処することが重要である。その一方で、勉強会・セミナーなどで提供できるのは一般的な情報に限られ、セキュリティインシデントに関するような機微な情報に医療機関の担当者が触れる機会は限られる。セキュリティに関する話題はそれ自体の秘匿性が高いが、今後、全国の医療機関がセキュリティの取り組みを推進していくうえでは、一定のルールに基づき、お互いにセキュリティに関する情報の共有を図り、助け合い、トラブルを解決できる仕組みが必要になり、そのなかで、医療施設の情報システム担当者同士のつながり(コミュニティ)であるCISSMEDが重要な役割を果たすようになるだろう。
現在、医療情報技師育成部会では医療情報技師の生涯研修のなかで、サイバーセキュリティの脅威を想定した座学とグループワークを組み合わせたセミナーを実施しており、各地区の医療情報技師会の勉強会でもサイバーセキュリティに関するテーマが取り上げられている。また、各地区の医療情報技師会はこれまでの活動のなかで顔が見える関係が築かれている。これから診療現場でサイバーセキュリティの対応を担う医療情報技師には、スキルアップを図るとともに、医療施設の情報システム担当者同士のコミュニティであるCISSMEDの活動にも参画し、ぜひ活躍の場を広げていただきたい。