一般社団法人 日本医療情報学会

[4-B-1-02] 電子処方箋の運用を開始するにあたっての課題と対応事例

*草野 聡1 (1. 富士通Japan株式会社)

2022年の医療情報学連合大会のセッションにおいて、弊社が考える電子処方箋の課題として「電子処方箋を発行する度に行う必要がある電子署名操作による医師の操作負荷を下げること」、「院内で使用している用法と電子処方箋用の用法マスタの紐づけができる割合を高めること」、「院内マスタと電子処方箋管理サービスのマスタの整合性が取れた状態にする必要があること」、「オンライン資格確認の運用を浸透・推進させ、枝番の登録や資格情報の更新が十分に行われる状態にする必要があること」という4点を提示させていただいた。
それぞれの課題への対応として、電子署名操作の操作負荷を下げるためにPIN入力回数の削減やカードレス署名機能のリリース、マスタの紐づけ・整合性を担保する上での更新方法の手順や考え方に関しての周知、オンライン資格確認の院内運用に関しては電子処方箋における必要性の説明・広報等を行ってきた。それぞれの課題の対応状況について報告するとともに継続して検討している事項について提示する。
また、電子処方箋の導入を進める中で、医療機関と薬局間における検証方法や、検証可能な範囲等の連携検証に関わる課題、電子処方箋の利用開始申請漏れに起因した動作不良に関する対応、オンライン資格確認連携アプリケーションの自動更新失敗に起因する動作不良に関する対応、運用開始時における顔認証カードリーダーの設定方法に関する対応など、いくつかの課題や注意すべき事案が発生していることから、実例と対応方法を紹介させていただき、今後の電子処方箋導入作業が円滑に進められるよう参考にしていただきたい。