Japan Association for Medical Informatics

[4-B-1-03] 電子処方箋普及にむけた構築・運用負荷低減

*Kiwamu Tabata1, Hiroyuki Takase1, Masahiro komai1, Koji Takashima1 (1. NEC Corporation)

2023年1月に電子処方箋の運用が始まり、弊社においても電子カルテシステムご利用の病院様へ電子処方箋利用環境の構築を進めている。 昨年度の本共同企画「運用直前 電子処方箋をめぐる諸課題を考える」では次の2件が大きな課題であると考えていた。(①重複投薬等チェックの結果が薬剤情報の閲覧同意によって変わるため、病院/患者の負担を最小限に閲覧同意をとる、②電子処方箋管理サービス送信用のマスタと、電子カルテの薬剤マスタ・用法マスタを効率的に紐づけする) ①は2023年10月から機能追加される「口頭同意」の機能にて病院/患者の負担が軽減されると考えている。 ②のうち薬剤マスタは、電子カルテのマスタとレセプト電算コード・名称の紐づけツールを開発し効率化できた。しかし、用法マスタは弊社の電子カルテのマスタと機械的な紐づけが難しく、電子カルテの仕様面・マスタ設定作業の双方で効率化を図った。  導入作業が進んだことで見えてきた問題・課題もある。(③諸事情により運用開始できない、④電子処方箋導入負荷を下げる)一例として、③は「HPKIカードを医師全員分入手できていないため運用開始できない」という相談があり、厚生労働省から提示されている「電子署名せず、紙の処方箋を原本とし電子処方箋管理サービスに処方箋情報のみを送信する」案での運用開始を提案している。また、④は病院の負荷が高い用法マスタの紐づけ作業や、運用テストにおける作業負荷軽減が課題であると考え、段階的に用法マスタを設定し負荷分散する方法や、スタブツールを用いた評価を検討している。 構築・運用の負担を削減し電子処方箋が普及していくことで、電子処方箋はメリットを最大限に発揮する。 本セッションでの課題の共有や対応方法の討論を通じて、弊社としても気づきを得ることで、課題を早急に解決し電子処方箋の普及に向け貢献して行きたいと考えている。