[4-C-1-02] How to see and understand the data that creates the vision on which the strategy is based.
近年、DPCデータ及びデータ提出加算による医療機関のレセプト等の提出データ、病床機能報告、NDBオープンデータ等の発展などに伴い、医療データ集積力が高まっている。特に、2020年以降は、急性期のみならず、回復期、慢性期にも広がりを見せている。そこで、重要となるのは、オープンデータをどう”医業経営に活かせるか”、である。これまで、医療情報学連合大会における当協会協働セッションでは、データドリブンな戦略形成の技法を解説してきた。「病院経営における戦略的データ活用法-データドリブンな戦略検討技法」と題し、オープンデータを用いた急性期の入院患者数推計の試算手法を解説した。また、これを発展させ戦略検討に資するフレームワークへの応用(PPM(Patient Portfolio Management)分析)についても解説した。仮説と発想があれば、経営戦略に資する分析フレームを提供可能な時代になっている。 しかし、戦略の前提には目的地が必要である。戦略形成は、現在の目的地を前提にした道標であるが、人口動態や疾病構造が大きく変化している環境下で、この現在の目的地自体を根底から見直すことが必要な地域や病院も存在している。戦略を越えた目的地を明らかにするためのデータとは何か。そして、その「見方」についてのフレームワークを提示することで、多くの医業経営に貢献できる可能性があり、ディスカッションに資する論考を提示する。