Japan Association for Medical Informatics

[4-C-1-04] Marketing of medical practice areas using SCR generated from the National Database

*Kenji Fujimori1 (1. Tohoku University)

少子高齢化社会の進展で多くの医療圏で急性期を中心とする患者数が減少に転じている。回復期から慢性期、在宅診療、介護はまだ伸びしろがあるようだが、働き手の確保も難しくなっており、自院の進むべき方向性を地域の医療提供状況を鑑み、考えていくことが重要となっている。 地域の医療提供状況を知るには医療機関の名称付きではDPC公開データ、病床機能報告のデータ、二次医療圏単位までではあるがNational Database(以下、NDB)のオープンデータなどを活用しているだろう。演者は内閣府と共同でNDBを用い、市区町村の単位まで医療提供状況をSCR(Standardized claim-data ratio)として生年齢人口を標準化した指標を無償公開している。 SCR=100が全国平均の医療提供状況であり、人口規模や高齢化率の違いを吸収して直接比較が可能である。それぞれの医療行為で地域において三医療機関未満の項目は公開してはならないとするNDBのルールがあるため、特殊性の高い医療行為は公開されていない地域もあるが、一般的な医療であれば市区町村のレベルで過剰感あるいは過小感を知ることができる。 自院の属する地域ですでに過剰となっている診療領域に新たに進出し一定のマーケットを獲得することは困難を極めるであろうが、過小な領域であれば一定のマーケットの獲得が可能であり、今後の自院の進むべき方向性の一つとして考えてゆくことができるだろう。自院の属する診療圏において(急性期であれば二次医療圏レベル、回復期から慢性期、在宅であれば市区町村レベル)、何が過剰で何が過少なのかを把握することがデータ駆動型の医療経営の出発点になることを期待する。