一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-1-05] データ駆動型医療経営を支えるマネジメントスタッフの育成

*櫃石 秀信1 (1. 川崎医療福祉大学)

新型コロナ禍による受診行動等の変化により、病院経営はますます厳しくなると思われる。 病院経営は診療を支えるメディカルスタッフにより、診療の質を上げ、患者さんに選んでいただける病院にしていくことが重要であることは、だれしも思うところであろう。
 一方、病院経営には経営の質を上げることも重要であることは、新型コロナ禍以前も以後も代わりのないことだと思われる。この経営の質を上げるために必要な人材としてマネジメントスタッフ(いわゆる病院事務職)の活躍が期待されているのではないでしょうか。 川崎医療福祉大学医療福祉経営学科では、病院で活躍できるマネジメントスタッフの育成を目的として、カリキュラムを構築している。当学科のカリキュラムは
 1.実践的な経営分析の習得
 2.豊富な実習環境
 3.現場で役立つ資格取得
を特長としている。
 「実践的な経営分析の習得」においては、 BI(Business Intelligence)ツールを用いた経営分析や地理情報システム(jSTAT MAP)を活用した顧客分析等を演習科目に組み込み、課題解決能力やプレゼンテーション力の向上を目的としている。 BIツールとしてはTableau Publicを使用し、NDBデータ、DPCデータや地方公営企業年鑑の病院事業で提供されている損益計算書、経営分析に関する調等の公開されているデータを活用し、学生にそれぞれターゲット病院を設定し、分析・考察を実施している。
 また、jSTAT MAPを利用した演習では、病院までの到達時間や周辺の人口動態等を分析・考察を実施している。
 今回、データ駆動型医療経営を支えるマネジメントスタッフの必要な知識・技術について大学教育の実状について紹介したい。