一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-3] デジタルヘルスの治療への展開

*脇 嘉代1,2、神田 直幸3、佐竹 晃太4,5、大杉 満6、阪口 岳7,8 (1. 日本医療情報学会、2. 東京大学 大学院医学系研究科 社会医学専攻 医療情報学分野、3. アステラス製薬株式会社、4. 日本赤十字社医療センター、5. 株式会社CureApp、6. 国立国際医療研究センター、7. 塩野義製薬株式会社、8. 日本デジタルヘルス・アライアンス)

digital therapeutics, mobile application, database

ヘルスケアの領域での情報通信技術の活用を包括的に示す概念であるデジタルヘルスは、近年、薬物療法に代わる新たな治療法であるデジタルセラピューティック(DTx)として注目されている。各種ウェアラブルデバイスと組み合わせて多種多様なデータが蓄積されている。薬事承認を受けている治療用アプリとしては、CureApp SC ニコチン依存症治療アプリおよびCOチェッカーおよびHT高血圧治療補助アプリ、そしてサスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリの3つがあるが、目下、多くのスタートアップ、大手製薬企業、医療機器メーカーが開発を進めており、さまざまな疾患領域での利用が期待されている。
本セッションでは、デジタルヘルスに取り組む企業および研究室から5名の演者が、開発や社会実装、プロダクトの提供に関連してそれぞれが抱える課題やその解決に向けた取り組みを紹介する。日本のDTx開発企業数社が中心となって設立した業界統一組織である日本デジタルヘルス・アライアンス(JaDHA)の活動にも触れる予定である。海外において開発された特筆すべきDTx製品をはじめ、現在、日本向けに改変して国内で治験の実施に向けて準備が進められているBlueStar(2010年にFDAの承認を取得)の状況も取り上げる。また、研究への取り組みから明らかになってきている、アプリ開発における自己効力感に注目した理論モデルの重要性、利用継続性を高める工夫についても触れられる。 さらに、国立国際医療研究センターが日本糖尿病学会と共同で実施する糖尿病レジストリーの1つであるJapan Diabetes compREhensive database project based on an Advanced electronic Medical record System: J-DREAMSを例に疾患データベースの状況と課題を紹介する。