一般社団法人 日本医療情報学会

[4-D-1-05] ePath基盤の発展と普及におけるベンダーとしての取り組み

*高瀬 博之1、駒井 理弘1、井上 真由美1、田代 杏子1 (1. 日本電気株式会社)

2018年度から実施した「クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用」事業(AMED:以下、ePath)により、参加4ベンダーのクリニカルパス(以下、パス)にOAT Unitの概念を組み込み、ePathに必要な機能の共通化が図れた。これにより、異なるベンダーでの共通のパス運用、電子パスの標準データモデルの出力が可能となった。弊社は主に2項目の追加で対応した(パスへのテンプレート組み込み、パス・リポジトリ間インタフェース)。
 ePathの普及には、参加ベンダー以外の電子カルテへのePath仕様に準拠したパスの標準搭載や、ひな型パスの容易な施設パスへの登録が必要と考える。標準搭載へは保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)にて「実装ガイド」を策定している。 施設パスへの登録には各ベンダーのシステムや病院での利用状況により違いはあるが、パスの基本情報、アウトカム等、タスク以外の比較的共通な部分から対応することで登録負担を軽減可能と考える。
 2022年度からは標準化された治験ワークシートへの応用に関する対応を行っている。入院患者を主な対象とするパスと異なり、長期間の入院・外来をまたがる治験ワークシートだった為、表示の変更や、適用中パスのバージョン変更への対応が必要となった。これらはePathにおける柔軟な対応を可能にしたと考える。多くをePathの標準仕様で対応できたが、治験ワークシート個別の機能も発生した。ePath基盤の応用領域をベンダーが認識することで、汎用性ある基盤へ発展可能と考える。
 ePathは当初、構築したシステムからブラッシュアップを繰り返し、成熟したシステムになってきたと言える。しかし、エンドユーザーに使って頂いて、初めて価値あるものとなるため、社内での啓発活動を推進していきたい。さらに、今後の展開や応用を考慮した対応をすることでePath基盤の普及に貢献したい。