Japan Association for Medical Informatics

[4-D-3-05] What pharmacists should do before the full-fledged era of medical DX

*Fumito Tsuchiya1 (1. Reserch Organization for Medication Safety Use)

Electronic prescriptions, Electronic package inserts, Electronic drug history handbook

2023年1月より電子処方箋の実運用が可能となった。2022年10月より4カ所でモデル地区としての運用が開始されたが、本来であれば、モデル事業で明らかになった課題への対応策を検討した後に実運用となるものであるが、閣議決定等の諸事情もあり、兎にも角にも実施の事実作りが行われているのが実情であろう。また2025年3月までにオンライン資格確認を導入した概ね全ての医療機関及び薬局での電子処方箋システムの導入を支援するという数値目標も示されていることから、実質今後1年半の間に電子処方箋の本格稼働に向けて解決すべき様々な課題に対して少なくとも明確な方向性を示すことが求められていることになる。
 医療情報学会では用法マスタに関して意見書を出すことで一つの課題を示しているが、その他に克服すべき大きな課題として、電子処方箋に虚偽記載をしない事を厳守するために克服すべき課題、即ちいわゆる倍量処方の絶滅である。これに関しては現在禁止されている新薬に関するリフィル処方を導入すること及び薬剤師がRMP等を利用してリフィル時に患者に状況等のチェックを行うことが解決策の一つであると考える。
 また、薬機法の改正により実施された添付文書の電子化についても克服されていない課題として、現在1000品目以上においてPTP包装のGS1コードが販売包装単位のGS1コードと会社コードが異なることに対する方策について提案したい。
 電子版お薬手帳については3月にガイドラインが示されたことから、今後1~2年の間にガイドラインに沿った形で電子版お薬手帳が準備されることになると思われるが、患者目線に立ちかつ医療関係者にとっても有用と思われるビューワーの開発をすべきことを提案する。
 これら医療DXにおける薬が関わる医療情報システムのあり方の他に、医療DXの本格化に備えてこの数年の間に薬剤師が克服すべき課題等についても述べることとする。