一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-1-02] NDBオンサイトリサーチセンターの利用経験:本邦のCOVID-19の大規模調査

*宮下 晃一1、穗積 宏尚1、古橋 一樹1、中谷 英仁2、尾島 俊之3、須田 隆文1 (1. 浜松医科大学 第二内科、2. 静岡社会健康医学大学院大学、3. 浜松医科大学 健康社会医学講座)

NDB, Onsite research center, COVID-19

NDBの研究利用形式には、現在、集計表情報、サンプリングデータセット、特別抽出、オンサイトリサーチセンター(以下オンサイト)利用の4種類がある。オンサイトは、東京大学・京都大学・厚生労働省の3か所に設置されており、研究者はオンサイト内の端末を用いて直接NDBからデータを抽出し、解析が可能である。オンサイト利用は特別抽出と同様に個票情報を扱う形式であり、オンサイト利用は特別抽出に比べて抽出条件設定の自由度が高い。一方で、オンサイト内の作業を外部委託することは禁止されており、オンサイト利用者自身がSQLを用いてデータを加工する必要があるなど研究利用のハードルは高い。また、利用者がオンサイトを直接訪問する時間を確保する必要があり、オンサイト利用の承諾件数は、特別抽出に比べて未だ少ないのが現状である。
我々は厚生労働省オンサイトを利用して、従来株流行期からデルタ株流行期までのCOVID-19患者の臨床像や死亡率の変化を報告した(Miyashita K, Hozumi H. Furuhashi K. et al. Emerg Microbes Infect 2023)。本シンポジウムでは、我々の研究内容の概説から、実際にオンサイトを利用した経験に基づくオンサイト利用の利点、苦労したこと、そして、今後オンサイト利用を検討している研究者への注意点を述べる。