一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-1-07] NDBに関わる厚生労働省の状況と今後の対応について

*明神 大也1 (1. 奈良県立医科大学)

Health Insurance Claims, NDB, Healthcare Intelligence Cloud

厚生労働省では高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、2008年から特定健診・特定保健指導情報を、2009年からレセプト情報をNDB(ナショナルデータベース)として格納し、医療費適正化目的に政策利用を行っている。2011年から告示に基づき、審査を経て研究者等への第三者提供を行うようになった。2020年の改正法施行によってデータベースの連結規定や不適切利用等への罰則、第三者提供を法定化し、民間事業者への提供も可能とした。 その後もNDBの利活用促進を進めるために、被保険者の履歴を利用した連結の仕組みをNDBに取り込み、転職等で保険証が変わっても、匿名性を保ったまま正確な名寄せが可能となった。また居住地情報・所得階層情報を格納・提供開始したとともに、医療扶助レセプトの提供も開始した。 直近では、クラウド上のデータ解析基盤である医療・介護データ等解析基盤(HIC)の試行的利用を行っているとともに、NDBの申出希望者にデータの理解を深めていただくために2023年6月にNDBサンプルデータを公開した。今後、死亡情報の格納やHICの本格利用を見据えて、ガイドライン改正やHICの機能拡充などを進めている。