一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-3-08] IT企業の受講者から見たKUEP-DHI dot.bプログラム

*松岡 歩1 (1. 株式会社NTTデータ)

NTTデータでは、日常的な健康増進・疾病予防を支える健康管理システムや急病・災害発生時の救急搬送システムなど、患者の個人情報をセキュアに守りつつ医療の質の向上に貢献し、誰もが健康・快適に暮らせる社会を目指して、先進の医療・ヘルスケアシステムの開発や提供に取り組んでいる。その中で私のチームでは「国民健康の増進に資するリアルワールドエビデンス創出」を目的に取り組んでおり「NDB分析支援サービス」などを提供している。
「国民健康の増進に資するリアルワールドエビデンスを創出する」ためには、単に医療データの加工・分析ができるだけではなく「診療の実態を考慮して分析結果を解釈できる」必要がある。これは分析技術に長けた我々のようなIT企業が特に間違えやすい部分である。本コースでは、ニーズに合わせた医療データの選択や結果解釈における注意点の示唆が可能な人材育成を目指しており、医療データ活用経験の少ない企業において医療データを適切に用いることに有効である。加えて、異業種の参加者と横のつながりを得ることができることも魅力である。実際に本コースの受講をきっかけとした協業事例や医療情報利活用に関する継続的な情報交換に繋がっている。
NTTデータでは1期と3期に参加しているが、オンラインやオンデマンドの受講形態が増えたことにより時間と場所の制約が少なくなり、自社業務との調整が容易となってきた。今後の要望としては、企業の立場から、1名専任ではなく複数名での分割受講も選択可能とすることで、自由度が上がり、様々な参加形態が検討可能となることに加え、人材育成の観点からも望ましいと考える。またコース終了後も既参加者との交流が継続することは、企業間の関係維持にも繋がり有効である。本コースの認知が広がり、本コースを修了したことが医療データを適切に活用可能な人材保有の証明になれば、参加企業の価値向上に繋がり有効と考える。