Japan Association for Medical Informatics

[4-E-3-09] Perspectives from medical data science in pharmaceutical company

*Yuui Imanishi1 (1. Takeda Pharmaceutical Company Limited)

私は、医療系のデータを収集、分析し、そこから将来的なビジネスに対する機会、また障壁などを定量化することを業務としております。業務の中で日常的に医療データを扱ってはいるものの、電子カルテ、DPCデータ、医科/歯科/調剤レセプトなど、膨大な医療データについて、実はその生成過程、全体像体系的に理解していないまま、日々データを活用しているのが現状です。臨床での経験を持たない多くのデータ活用者にとっては、膨大に存在する医療データの強みや弱み、活用するうえでの限界などの所謂ピットフォールを経験的に学びながら活用はするものの、それを体系的に学ぶ機会は実は得られておりません。製薬業界ではまだデータサイエンスは発展途上であり、将来のビジネス機会の発見や、創薬、マーケティングなど、データを利活用することで大きなアドバンテージを得られる分野が多く存在します。その一方で、まだ十分な活用ができるだけの基盤が完成しているとはいいがたい状況で、各企業ともに試行錯誤を続けている状況です。その背景としては、前述の医療データに精通したデータサイエンティストがまだまだ少ない、そもそも、データサイエンティストを育成するための場が十分ではないということが挙げられます。医療データを活用する製薬企業としては、企業に所属していると普段触れることのできない臨床の第一線を垣間見ることは非常に重要であり、そのような機会がより医療データを深く理解することに繋がります。今後、産官学での医療データに関する連携がより積極的に進められていくことで、膨大に存在する医療データ活用の発展にもつながり、ひいては医療への貢献に繋がるものと考えております。