Japan Association for Medical Informatics

[4-F-1-01] Apache Camelを用いた電子カルテシステムとの連携
~眼科病棟における点眼表作成アプリの試作~

*Naoki Nakamura1, Kanae Nakamura1, Mutsumi Katakura1, Toru Nakazawa1, Hideki Ota1 (1. 東北大学病院)

Database, Data Integration, WEB API

【目的】
 多くの病院では、電子カルテ上のデータをシステム間で連携するため、SS-MIX2標準化ストレージが整備されているが、扱うデータ項目が少なく、利用できるケースが少ないという課題がある。一方、病院でDXを推進するためには、電子カルテが保持しているデータを柔軟に扱うことができる連携基盤の実現が期待される。そこで、本稿では、Apache Camelを活用することで、電子カルテと柔軟に連携できる基盤を確立することを目的としている。
【方法】
 さまざまなシステムを相互接続できるライトウェイトなライブラリから構成されるApache Camelを用いて、電子カルテのデータベースと連携できる仕組みを構成する。さらに、電子カルテが保持する診療情報を取得して、実際の病院業務を支援するウェブアプリケーション(以後、ウェブアプリ)を試作する。
【結果】
 最初に、Apache Camelを用いて富士通社製電子カルテのデータベース(Symfoware)とJDBC接続し、電子カルテ上の患者基本情報やオーダ情報などを取得するため仕組みを構成した。さらに、電子カルテのデータを活用して、眼科病棟の看護師が手作業で作成していた点眼表を作成するウェブアプリを試作した。
 電子カルテで患者を選択して本アプリを起動すると、指定された患者の基本情報、入退院歴、薬剤師の持参薬報告書、処方オーダ情報などを取得・活用し、点眼薬の時間ごとの施用タイミングを示す点眼表の下書きが展開される。看護師は、医師の指示を確認しながら点眼表を作成し、印刷したものを患者に配布することが可能である。
 本システムでは、Apache Camelを用いることでシームレスにデータ連携できることを確認した。今回は、システムの早期稼働を優先するため、独自のAPIでシステムを実装した。今後は、汎用性のあるHL7 FHIRを用いて拡張する検討を進めたい。