Japan Association for Medical Informatics

[4-F-1-06] 線量管理システムと診療データを用いた累積線量管理データベースの構築

*Hisashi Watanabe1, Yoshiaki Kitaguchi1, Keta Honma1, Yumiko Yoshida1, Motoyasu Maruyama1, Keko Kusabuka1, Misao Ito1, Hiroaki Kobayashi1, Hiroe Shinohara2, Yuko Seki2, Yoshihiro Kito3, Hiroyuki Kubota3, Naoki Matsubara3, Takayuki Miyazawa3 (1. 信州大学医学部附属病院 医療情報部, 2. 信州大学医学部附属病院 看護部, 3. 信州大学医学部附属病院 放射線部)

Radiology, medical safety, Python

【背景及び目的】頭部CT検査の頻回症例に対し累積被ばくによる白内障や水晶体混濁の発症リスク増加が懸念されている。当院の被ばく線量管理システム(Radimetrics)では、累積の水晶体線量値の推定及び管理が可能である。しかし、依頼診療科や検査実施日等が不足していることで、各診療科と連携したリスク管理が課題となっている。そこで、オープンソースを活用した病院情報システム(HIS)のデータ利用連携を目的として累積線量管理用のデータベース(DB)を構築したので報告する。【方法】①開発にはPython3を用い、DBはSQLiteを使用し、Radimetricsの線量データと当院でCT撮影を実施した患者の撮影日、診療科等をマージした累積線量管理DBを作成した。②DBへの書込・集計などはpandas、データ出力はOpenPyxlを使用し、Excel出力を可能とした。③本システムは、電子カルテから起動できるシステムとし、利用者のユーザー情報を使用し利用制限をかけている。ユーザー管理は放射線部の管理者へ委譲した。【結果】累積線量管理DBから線量値が500mSv以上の患者をピックアップし、診療科別(全件、500mSv以上)と年齢別集計が可能となった。また、診療科別患者リストがExcelで出力され、その集計結果は毎月医療安全管理委員会で報告可能となった。ベンダーに依存することなく当院の実状に合った使い勝手の良い仕組みを構築できた。【考察】患者リストを出力することによって診療科へ個別のアプローチも可能なため、白内障や水晶体混濁の発症リスク増加に対して早期介入が期待される。電子カルテから起動できることから、作業場所を限定されることがなく集計作業が可能なことから業務の軽減が期待される。【結論】オープンソースを活用したHISのデータ利用し連携することで累積線量管理DBを構築できた。