[4-F-1-08] DWHを活用した日常業務に寄与する電子カルテ診療支援ツールの作成
operational efficiency, EHR, DWH, VBA
【背景】電子カルテはノンカスタマイズで導入されることが一般的であり、当院でも富士通製の電子カルテを基本的にカスタマイズせずに導入している。 甲状腺専門病院である当院は58床と病床数が少ないにも関わらず、年間2000件の手術、約650人/日の外来患者と、病院の規模に比べて患者数が多い。 パッケージのままでは当院の運用に必要な機能がなく、それらを補うために煩雑・冗長な操作が必要となる。そこで当院ではノンカスタマイズ電子カルテ上でも快適に電子カルテが利用できるように2013年頃よりDWHとVBAを積極的に活用し、当院の運用に最適化した「診療支援ツール」の作成を始めた。 【目的】診療支援ツールを作成し、活用することで業務の効率化を図ることができるか検討する。 【対象と方法】ノンカスタマイズ電子カルテでの運用を診療支援ツールに置き替えた中で①入院患者の食事区分決定業務を補助する「食数予定表」、②院内診断書作成業務を補助する「診断書ツール」、③診療会計業務を補助する「病名チェック」。以上3項目の業務における診療支援ツール使用の有無で業務効率を検討。①、②では作成時間、③では電子カルテを開く時間を比較検討。 【結果】食数予定表は作成時間が20分→2分へ短縮された。診断書ツールは作成時間が30分→1分へ短縮し、患者へ提出する期間も40日→18日へ短縮された。病名チェックは電子カルテを開く時間10秒が不要になり、1日外来数を650人と仮定すると約108分の業務時間が短縮された。 【考察】DWHを使った診療支援ツールを実装することで、業務効率が向上する。電子カルテとシームレスに運用できるように工夫したため、現在では電子カルテをカスタマイズしたかのように利用できており、ツール数は143個まで増加している。ノンカスタマイズ電子カルテを利用するうえで今回紹介した診療支援ツールを作成することは有用であるといえる。