一般社団法人 日本医療情報学会

[4-F-3] 施設間データ統合の目的と課題−EHRのセキュリティと遠隔ICUの目指すもの−

*近藤 博史1、長谷川 高志1、高木 俊介2、橋本 悟3 (1. 日本遠隔医療協会、2. 横浜市立大学附属病院 集中治療部、3. NPO法人ICON)

医療情報のコンテンツのデジタル化が進み、それらがサーバに保存されネットワークを介して見える様になりデジタルシステム化が実現した。電子カルテEMRもその一つである。遠隔医療が進める医療DXでは、複数の施設やシステムのデータ統合が個人時系列データPHRの表示を可能にする。また、mobile Health等のように、これまで統合されていなかったシステムの統合は新たなエビデンスをもたらす。一方、複数システムの統合し利用するにはデータの標準化だけでなく、名寄せ(紐付け)、セキュリティポリシーやアクセス認証の調整を必要とする。また組織外のシステムとの接続はサイバーセキュリティ上のリスクを伴う。SS-MIX2とDICOM画像をサーバセンターに統合するおしどりネットの経験と厚労省調査の中小病院の調査結果を近藤が述べる。遠隔ICUのAMED研究を進める高木らは複数のICUのシステムの統合し、患者の映像も含めて人工知能の活用により効率的で高精度のICU管理を進めようとしている状況を説明する。一方、コロナ禍で重症患者ネットワークDB(CRISIS)を短期間に作った集中治療学会でもNPO法人ICONを作り、遠隔ICUの発展と、施設間の統合データの形成に取り組んでいる。これについて橋本が説明する。最後に政府の動きや保険適応、加算の状況に付いて多くの経験を持つ長谷川が説明する。