Japan Association for Medical Informatics

[4-G-2-01] おしどりネットの「PHRになり得る統合型EHR」とサイバー・セキュリティ・バックアップ等の新たな機能拡張の有効性

*Hiroshi Kondoh1, Masaki Mochida2, Tatsuro Kawai2, Motohiro Nishimura2, Tetsuro Tsujita3 (1. 協立記念病院, 2. セコム山陰, 3. NPO法人鳥取県医療連携ネットワーク協議会)

EHR, Bundle of EMRs, PHR, DB, BCP

2010年から運用する鳥取県地域医療連携おしどりネットは2023年5月31日現在17の情報提供病院、県内65の病院、診療所、36調剤薬局と、島根県の豆ネット経由で島根県内7医療機関が参照医療機関として稼働している1)。登録患者数は13480人、5月の参照回数は1607回、参照患者数680人。2010年運用時から参照にセキュリティからソフトVPNとthin-client基盤を利用する。2012年日本標準SS-MIX2の利用条件が加わった為、日本では珍しく診療データをDICOM画像を含めて統合し、センター保存することにした。統合保存のため、世界標準IHEのPIX、XDS XDS-Iを利用しGEがベルギーで稼働させていたXDS-IとIBMがカナダで稼働させていた残り部分を合体させた。データ統合なのでPHRと患者が同意した医療機関のデータを時系列表示する。今回、その後の機能拡張を報告し、統合によるPHR表示を再評価した。①HPKI認証付き電子紹介状システム、②テンプレートも可能なテキストデータと画像を入力できる「おしどりノート」、③事前に救急病院での参照の了解を得て登録する「救急患者対応システム」、④遠隔読影、在宅医療での利用目的の「自院カルテの参照、入力システム」、⑤「リアルタイム参照可能なSS ~MIX2バックアップ」、⑥「携帯回線を利用したiPad, iPhone端末システム」を開発稼働させた。特に「リアルタイム参照可能なSS ~MIX2バックアップ」と「携帯回線を利用したiPad, iPhone端末システム」はランサムウェア攻撃直後のBCPとして紙カルテ運用時に院内ネットワークが使えない状況での携帯を使っての有効な過去情報参照システムとなった。「自院カルテの参照、入力システム」は自宅勤務や電子カルテ参照可能な新たな遠隔画像診断機能となった。