Japan Association for Medical Informatics

[4-G-2-04] 自動操作とDWHを活用した医師の労働時間短縮の取り組み

*Kazuki Inui1, Ichiro Yanagida1, Yoshitomo Nakamura1, Hirotaka Ohashi1, Makoto Kawakami1, Takashi Akamizu1, Akira Miyauchi1, Natsuki Kuma1, Makoto Fujishima1 (1. 隈病院)

EHR, DWH, Automation

昨今医師の長時間労働における問題が表面化しており、2024年から医師の働き方改革が施行される予定となっている。当院では以前から職員の労働環境に対する改善を進めており、今回はシステムの観点から医師の労働時間短縮を図った取り組みの一部を示す。今回示す事例では電子カルテの操作および入力時間を短縮することで診察時間を短縮すること、ひいては労働時間を短縮することを目的としている。  電子カルテの操作を短縮する方法として、当院の運用では患者を呼び出してから診察を開始できるようになるまでに多くの電子カルテ操作が必要になっていることに着目した。診察開始までに、患者の呼出、カルテ画面の起動、ユーザ毎に必要なツールの起動、記載テンプレートの起動、検査結果の印刷、という操作を行っており、この一連の操作を自動で事項するツールを実装した。また、他施設への紹介状を記載する際に多くの時間を要していたことから、記載に必要な検体検査、超音波検査、細胞診検査等の結果をDWHから取得し、紹介文とあわせて自動記載する機能を実装した。  1つの診察室を対象に実装前の2013年のデータと、実装後かつCOVID-19が蔓延する前の2019年のデータを比較したところ、1日で診察した平均人数は40.6人から44.7人に増えているにも関わらず、平均診察終了時間は17時13分から17時7分に短くなっていた。2013年の診察ペースで44.7人の患者を診ようとした場合、計算上診察終了時間は17時57分となり、1つの診察室で1日50分短縮できていることになる。 電子カルテの操作時間を短縮することは労働時間の短縮に繋がり、医師の働き方改革においても有効な対応となった。以上のことから外部のツールを実装することで電子カルテの操作を短縮できる余地があるのであれば、他の施設でも実装を検討する価値は十分にあると考える。