一般社団法人 日本医療情報学会

[4-G-2-05] 医師の業務効率向上とアラート疲労の低減を目的としたToDo機能の改修

*寺本 圭1、古林 雄貴2、砂田 寛司1 (1. 鳥取大学 医学部附属病院, 2. 鳥取大学 大学院医学系研究科)

alert fatigue, work efficiency, radiology report

【背景】鳥取大学病院の電子カルテシステムには、検査結果のパニック値や代行入力の承認などのメッセージを自動的に医師へ通知するToDo機能が実装されている。医師へのメッセージが到着すると、起動中の電子カルテシステム上のメニュー項目のボタン型アイコンが点滅する仕様となっている。メッセージ通知の処理は、緊急性の有無にかかわらず機械的に実行されるため、外来診療中の医師が緊急度の低いメッセージを確認してしまう場合があり、アラート疲労につながっていた。【目的】 本報では、医師のアラート疲労を軽減し、医療の質向上を目的として改修したToDo機能の設計モデルについて解説する。また、システム改修後に医師を対象としたアンケートを実施しシステムの有用性を評価した。【方法】 電子カルテ上のToDoボタンを「緊急」「検査レポート」「業務」「承認」の4つに分類し、メッセージが到着すると該当のボタンが点滅することによって、外来診察中でも緊急性の判別が可能となる設計とした。医師が4つに分類されたボタンの何れかを押下すると、メーラーに類似した画面が起動し、メッセージの種類ごとに未読のメッセージ数が表示される仕様とした。改修後のToDo機能を評価するために、本システムの実装後に11名の医師を対象にWEBフォームによるアンケートを実施した。【結果・考察】医師を対象とした5段階評価(5:非常に有効-1:非常に悪い)の結果、業務効率においては、非常に有効5名(45%)、有効3名(27%)、変わらない2名(18%)、悪化した1名(9%)であった。安全性向上については、非常に有効5名(45%)、有効3名(27%)、変わらない3名(27%)であった。緊急度に応じた通知方法と効率的な確認方法を電子カルテシステム上に実装することによって、業務効率と安全性の向上が期待できる。