Japan Association for Medical Informatics

[4-H-2-03] 重症心身障害児の睡眠中の呼吸状態に関するアセスメントの妥当性の検証

*Emiko Yokozeki1,3, Yuri Ikemoto2,3, Yasuteru Hosokawa2,3, Kikue Kida3, Toshiaki Hashimoto4, Sumiko Yoshida3,5, Kohji Yamamoto2,3 (1. 四国大学看護学部看護学科, 2. 四国大学経営情報学部メディア情報学科, 3. 四国大学学際融合研究所Society5.0研究会, 4. 徳島赤十字ひのみね医療療育センター, 5. 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 臨床研究部)

Patients with SMID, Facial muscle changes, Logistic regression analysis

重症心身障害児者(以下,重症児者)は、脳障害に起因する運動障害や言語障害により意思疎通が難しく、苦痛やニーズを早期に理解することが難しい。重症児者との意思疎通方法や養育者のケアに対して重症児が快と感じているのか、不快と感じているのかという反応は、重症児者との日々の関わりの中で継続して観察し、理解した上で判断していくことが求められる。また、専門職者であっても自身で予測したことと合致しているのか確証がもてない不安を抱いている。これらは重症児者を養育する家族にとっても専門職者にとっても、大きい負担を強いることとなっている。筆者らは、この課題の解決のために、重症児者の「いつもと違う不快」状態を知らせることができるシステムの開発に取り組んでいる。 これまで、筆者らは重症児者の日常生活を観測し、脈拍数、経皮的酸素飽和度、呼吸音、表情などの映像データを収集してきた。そして、それら数値化されたデータについて、脈拍数や呼吸音、並びにその時の状況などを手掛かりとして分類し、重症児者のいつもと違う不快を予測するためのモデルを提案した。 今回は、重症児者1名の15分間(データ数943)のデータAを用い、筆者らが提案した概念モデルによって予測した値が妥当かどうかを検証する。研究方法は、ロジスティック回帰分析とROC分析である。検証の結果、データAに関しては不快が無となり、予測が妥当であると判断できた。また、呼吸音の周波数解析結果を指標として分類することで作成したモデルのデータ群(B)に、データAを不快が無として追加した。その分析結果は、特異度、感度、精度、適合率、再現率ともに、データB群によって作成した値とほぼ同じ90%以上の高い数値となった。データAとBは別日のものである。