Japan Association for Medical Informatics

[4-H-4-06] 極めて大きな拡大文字を用いた閲覧に対応した医療機関Webページモデルの評価

*Takeshi Tanaka1, Rie Fujita2, Kazuhito Ujima3, Akito Narai2,4, Yoshiaki Kiuchi4,5 (1. 広島大学 病院 医療情報部, 2. 奈良井眼科, 3. 広島大学 人間社会科学研究科, 4. 広島大学 病院 眼科, 5. 広島大学 医系科学研究科)

Medical Institute Webpage, Web Accessibility, People with Visual Impairment

【はじめに】Webアクセシビリティの国際ガイドラインに基いてJIS X 8341-3:2016(以下JIS)が定められており、200% まで文字サイズ変更が可能なこと、との記述がある。しかし視覚障害は個人差が大きく、その文字サイズでは対応しきれないケースも少なくない。そのような視覚障害者(以下、当事者)に対しては音声読み上げなどの支援機能が用意されているが、当事者が支援機能の操作に明るいとは限らず、また中途視覚障害者に対する支援や情報提供の体制が充実していない現状もある。そこで著者らは簡単な設定で100pt以上のサイズの文字を表示できる医療機関Webページのモデルを開発した。今回は当事者によるモデルWebページの評価を行なう。【方法】2021年8月から2023年1月まで70歳代以下の成人男女にメールアンケートおよび当事者へのヒアリングを実施した。JISの適合レベルAAに準拠し、同内容だがレイアウトの異なる架空の医療機関WebページA(メニューとコンテンツの2カラム・レイアウト;標準の2倍の大きさで文字サイズ固定:比較対象)とWebページB(1カラム・レイアウトで文字サイズ拡大可能:評価したいモデル)を、Web参照可能な当事者(身体障害者手帳2級から5級相当)に示し、a) 内容が判り易いのは?b)どこに何の情報があるか判り易いのは?という2つの設問に、A/B/どちらでもないか?を回答させた。主観的バイアス排除の為AとBの提示順序を調整した。また読みづらい文字種についても質問を行った。【結果】AとBの提示順序が異なってもBを選ぶ当事者が多く、合計33回の提示中、a)については24回、b)については19回、Bが選ばれた。a)でBを選んだ当事者の58%が漢字を読みにくいと感じた経験があるがBを選ばなかった群では22%であった。【考察】視力が低い当事者に対して本モデルが有効と考えられる。