[4-J-1-04] 表面筋電測定を用いた筋力の定量評価方法の検討
Surface Electromyogram (EMG), Rehabilitation, Biosignal Processing, Manual Muscle Test (MMT)
臨床現場における筋力評価の方法として、徒手筋力検査(Manual Muscle Test; MMT)がある。MMTは、広く用いられる一方、検査者の定性評価に依存するため、評価基準にばらつきが生じることが問題として指摘されている。MMTの実施に当たり徒手筋力計を用いる方法もあるが、計測原理上、微細な筋力の正確な測定が難しい。そこで本研究では、定量的かつ微細な筋力測定が可能な筋電位に着目し、MMTの各評価尺度(0 - 5の6段階)と筋電位の関係性から筋力を定量評価する方法を検討する。
具体的には、健常な参加者の右上腕二頭筋の筋腹に電極を貼り付け、屈曲動作時に振幅が最大となる表面筋電位を測定する。この動作は、段階毎に指定された肢位にて検査者の指示に従って実施するよう参加者に依頼した。測定はMMTの各段階に対して2試行実施する。
この結果、個人内比較において段階5-4、段階4-3、段階2-1間の比較において筋電位の振幅最大値が異なり、段階5,4,3,1の順に最大値が小さくなることを確認した。一方、一部の参加者では段階3-2間で段階3の方が筋電位は小さい結果となった。以上より、定性評価のぶれがより懸念される段階5-4、段階2-0間で筋電位による定量評価の有用性が確認できた。しかし、筋電位の大きさはMMTの各段階に準ずることは確認できなかった。原因として各段階における検査者の手技や参加者のMMTの再現性が異なるなどの可能性が考えられる。これらの点から、筋電位に基づく評価と従来評価の相補的な組み合わせにより、より充実した検査の実現が考えられる。
本研究では、MMTの段階と筋電位の関係性から筋力を定量評価する方法を検討した。実験の結果、指標値として筋電位を用いることの有用性が確認できた。ただし、健常者を対象としたことによる限界があるため、今後は患者の筋電位を測定し、MMTの各評価尺度との関係性を調査する。
具体的には、健常な参加者の右上腕二頭筋の筋腹に電極を貼り付け、屈曲動作時に振幅が最大となる表面筋電位を測定する。この動作は、段階毎に指定された肢位にて検査者の指示に従って実施するよう参加者に依頼した。測定はMMTの各段階に対して2試行実施する。
この結果、個人内比較において段階5-4、段階4-3、段階2-1間の比較において筋電位の振幅最大値が異なり、段階5,4,3,1の順に最大値が小さくなることを確認した。一方、一部の参加者では段階3-2間で段階3の方が筋電位は小さい結果となった。以上より、定性評価のぶれがより懸念される段階5-4、段階2-0間で筋電位による定量評価の有用性が確認できた。しかし、筋電位の大きさはMMTの各段階に準ずることは確認できなかった。原因として各段階における検査者の手技や参加者のMMTの再現性が異なるなどの可能性が考えられる。これらの点から、筋電位に基づく評価と従来評価の相補的な組み合わせにより、より充実した検査の実現が考えられる。
本研究では、MMTの段階と筋電位の関係性から筋力を定量評価する方法を検討した。実験の結果、指標値として筋電位を用いることの有用性が確認できた。ただし、健常者を対象としたことによる限界があるため、今後は患者の筋電位を測定し、MMTの各評価尺度との関係性を調査する。