Japan Association for Medical Informatics

[4-J-2-01] 徳洲会グループにおけるチャットアプリケーションを用いたコミュニケーションの活性化

*Aoi Emura1, Naoya Uematsu1, Naoki Akamatsu1, Atsushi Manabe1, Yukihiro Noguchi2, Hideki Fukuda1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 一般社団法人徳洲会 東京本部)

Hospital Communication Systems, Chat Tools, Work Style, Web Services

背景・目的: 2019年より関連法が順次施行されている働き方改革が2024年には医師にも適用される.また,高齢化に伴う患者数増加・労働力不足により病院職員の業務量増が懸念されるなかさらなる業務効率化が求められ,そこでは職員間のコミュニケーションがより重要となる.しかし,医療機関では主要な連絡手段が未だ電話・eメールであり,効率的な情報交換が行われているとはいえない.徳洲会グループ(以下グループ)の一部の病院では他社製のチャットツールを導入したケースもあるが,外部サーバーを利用するためセキュリティに不安が残り,またグループ内での異動が多くアカウント管理が難しいなどの理由で普及には至らなかった.そこで我々は,グループ標準のチャットアプリケーション(以下本アプリ)の開発および普及に取り組み,一定の効果が得られたので報告する.
方法: 本アプリに職員が使用するWebサービス(安否確認・給与明細・職員健診結果・e-Learning・患者数統計・広報誌)に容易にアクセスできる機能を追加することで,単なるコミュニケーションツールとしてだけでなく職員のポータルサイトとしても利用できるようにした.セキュリティ面ではグループ内のサーバーを利用し,人事情報と紐づけ入退職時に自動でアカウントが作成・削除されることでアカウント管理を容易にし,退職後は情報を閲覧できないようにした.
結果・考察: 2022年4月から本アプリの運用を開始し2023年5月時点でグループ職員約1.6万人に利用されるようになった.グループの感染認定看護師などで構成される感染管理部会では113人で利用しており,チャット機能やアンケート機能を利用することにより会議の日程調整や各病院の状況調査,情報共有のスピードが格段に向上した.今後,機能の拡充や本アプリの活用方法の普及をグループ全病院へ行い,さらなるコミュニケーションの活性化を目指したい.