一般社団法人 日本医療情報学会

[4-J-3-04] HIS系ネットワークへのアンケートシステム構築の効果と閲覧履歴に関する意識調査

*渡邊 翔太1、菅野 亜紀2、片口 治幸1、金森 浩治3、大田 美香1、髙岡 裕1 (1. 富山大学附属病院医療情報・経営戦略部, 2. 臨床研究管理センター, 3. 富山大学杉谷地区事務部医事課医療情報チーム)

Questionnaire, Electronic Medical Record System, Hospital Network

【背景】本院電子カルテシステムでは、パッケージ機能に実装されている閲覧履歴を表示する機能が利用されている。具体的には、この機能により、直近、いつ、どの職種の誰が、当該患者のカルテを閲覧したかについて、直近5名分が各患者のカルテのトップページに表示される。この機能により不要なカルテ閲覧を防ぐ効果が期待されるが、一方で正当な業務としてカルテ閲覧している病院職員が、業務目的外でカルテ閲覧したと誤解される事例が複数発生している。その結果、電子カルテ閲覧することに対して躊躇したり、消極的になる可能性が危惧された。加えて、病院職員が業務目的外で自らのアクセスログを確認するなどの不適切な行為を助長する恐れも考えられた。以上に関わる病院職員の意識調査を行うために、アンケートシステムを構築することにした。
【方法】電子カルテシステムにSQLサーバを立ち上げWebベースでアンケート機能を実装し、閲覧履歴の表示機能の及ぼす業務への影響を明らかにすることを目的として研究に取り組んだ。具体的には、HIS系ネットワークの構成上、既存Webサービスは利用できないため、Web(Apache)とデータベース(SQLite)から成るサーバを新たに構築しアンケートシステムとし、HIS系ネットワーク内に設置した。アンケート実施時には、電子カルテシステムのログインIDと自動連携し、ログインできる全病院職員を対象にアンケート調査を可能にした。
【結果】HIS系ネットワーク内にアンケートシステムを設置したことで、学術系ネットワークにメールアドレスを持たない看護職なども含め、網羅的にデータ収集可能になった。また、アンケートフォームをHTML形式としSQLサーバへ結果を格納させることで、回答をCSV形式などで出力可能にし、集計作業の低減化を実現した。さらに、閲覧履歴の表示機能についてのアンケート調査の結果も併せて報告する。