Japan Association for Medical Informatics

[1-C-3] いがいと簡単なGS1バーコードの利用
―どうすれば医療現場で有効活用できるのか―

Koichi Uemura1, Takao Orii2, *Aki Inaba1, *Hiromitsu Takai1, *Kento Watanabe3 (1. GS1 Healthcare Japan, 2. Tokyou Healthcare University , 3. Tokyo Yamate Medical Center)

医療の安全性向上のため、医療用医薬品や医療機器にはGS1バーコードが表示されている。2019年の薬機法改正では、販売包装への表示が法的に義務化された。このGS1バーコードは国際的に標準化されたバーコードであり、国内では医療現場での利用を考慮して、医薬品ではアンプルやバイアルにまで表示が進められ、医療機器においても個包装や機器本体にも拡大されている。医療製品の取り違い事故の防止やトレーサビリティのためにはGS1バーコード利用は欠かせない。しかし、このように表示が進んでいるにもかかわらず、医療現場でのGS1バーコード活用は十分であるとはいえない。そのため、GS1バーコードを読んでいれば防げたと思われる医療事故が起こっているのが実情である。GS1バーコードを利用するためには、多大なシステム変更や著しい手間の増加が必要と思われることもある。しかし、GS1バーコードの仕組みをきちんと理解すれば、いがいと簡単に導入できる部分も多く、安全性向上とともに業務効率化が大いに進む。本チュートリアルでは、GS1バーコードに関する基本的な内容や、読み取り機器やシステム等バーコードを利用するために必要な要素に関する解説に加えて、特に医療材料のGS1バーコードについて、医療現場で活用することによるメリットや課題、導入の考え方について現場目線で紹介する。すでにバーコードを利用している、あるいは導入を考えている医療機関の方はもとより、医療安全に強い意識を持つ方々の参加と議論を期待する。