Japan Association for Medical Informatics

[2-B-1] 多施設で医薬品や食物の禁忌・アレルギーを共有する未来-医療安全に向けて医療情報関係者が果たすべき役割-

*Toshihiro Takeda1, Makiko Takizawa2 (1. Osaka University, 2. Saitama Medical University)

contraindication, allergy, information sharing, healthcare DX

医療DXの中で、国による「電子カルテ情報共有サービス」が令和7年度には本格稼働される。3文書6情報のうち、「薬剤アレルギー等」「その他アレルギー等」の2情報は、患者の安全にとって重要な情報であり、多施設で正しく共有を行う必要がある。薬剤アレルギー等は、医療機関ごとに薬剤単位とペニシリン系などカテゴリー単位の片方あるいは双方の情報管理が想定される。食物、その他については、取り扱う情報の種類や分類の粒度は医療機関ごとに大きく異なることが想定され、コード化が実施されない、あるいはフリーテキストでの管理が想定される。また、アレルギー等の重症度や発症状況については、記録している医療機関と記録していない医療機関が想定される。このように医療機関ごとに粒度の異なるアレルギー等情報を他医療機関や患者に共有することは、医療安全の向上と新たな課題の両面が生じる可能性がある。日本医療情報学会と医療の質・安全学会の合同委員会(医療安全に資する医療情報システム検討に関する合同委員会)では、医療安全に資する利活用を進めていくために、協働してこの課題に取り組んでいる。令和6年度は、厚生労働省行政推進調査事業として「医療安全に資する医療情報の拡充に関する研究」を埼玉医科大学の滝沢牧子先生を研究代表者として受託し、研究を進めている。本ワークショップでは、電子カルテ情報共有サービスで医薬品や食物の禁忌・アレルギー状況を共有する際の医療安全の観点からの課題と、課題解決に向けて医療情報関係者が果たすべき役割について、議論を行う。