[2-B-3-01] ePathの概要とその活用、効果について
2018-20年度にAMED事業「クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用」(以下ePath)を実施した。事業後、Learning Health System(以下LHS)の推進や治験への応用、Personal Health Record(以下PHR)との連携などの研究成果を報告する。LHSの推進では2021-23年度の厚生労働科学研究「標準化クリニカルパスに基づく、医師行動識別センサや問診AIなどのICTを用いた医師の業務負担軽減手法に関する研究」(以下RCB)で、多施設での統合解析結果から不要、他業種へタスクシフト可能な業務を抽出した。治験への応用では2022年度AMED事業「標準化電子ワークシートを核とした分散型治験のシステム・運用両面からの構築(以下DCT )」で、ePathを電子的治験ワークシートとし、分散型治験システムを設計した。PHRとの連携では2023年度の厚生労働科学研究「ヘルスケアプロセス管理に関する国際標準化と個別化 LHSアプリケーションの開発研究」(以下BRIDGE)で、ePathとLHS機能を搭載したPHRアプリを連携し、ePathで設定したOutcome–Assessment-Taskの三層モデル(以下OAT Unit)をそのアプリで入力、評価できるシステムを設計した。RCBでは研究参加施設のデータ解析後、パスに設定した診療行為の内、削減対象となり得るものに機械学習法で特定する手法を確立した。DCTではePathで保持するOAT Unitなど、治験で必要な項目を設定できた。BRIDGEでは糖尿病パス、外来化学療法パスを作成し、患者自身の手入力やIoT連携し、LHS機能を搭載したPHRアプリで評価でき、その結果をePathに連携し、医療者が総合的に評価できた。ePathが医療情報システムの標準化とも言え、医療そのものの標準化に繋がる事例として期待される。
