一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-3-02] クリニカルパスによる心血管カテーテル診療における医師業務負担軽減

*的場 哲哉1、坂本 和生1、山下 貴範3、井上 創造4、副島 秀久5、中島 直樹2 (1. 九州大学循環器内科、2. 九州大学医療情報学分野、3. 九州大学病院メディカルインフォメーションセンター、4. 九州工業大学大学院生命体工学研究科、5. 済生会熊本病院)

近年、循環器疾患の治療、特に心血管カテーテル治療は目覚ましい進歩を遂げている。クリニカルパスは,このような高度で特殊な治療を,より均質に多数の患者に提供するための有効なツールである。医療業務の負担軽減には、医療の質の低下を招く可能性が潜む。クリニカルパスのデータに基づき、医療の質確保のために必要な業務は確実に継続し、必要性の低い業務の削減や移行を検討すること、その後の結果を再びデータで確認することが重要である。そこで我々は、厚生労働科学研究において、ePathシステムを用いた循環器疾患クリニカルパスの最適化を目指し、行動識別センサーにより測定された医師の業務量と患者の転帰の関係から、削減あるいはタスクシフトしうる医師業務を検討してきた。クリニカルパスに定義されたタスクと医師行動の分析に基づき、心血管カテーテル治療におけるクリニカルパスの最適化、およびそれによって期待される医師業務負担軽減と課題について報告する。