Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-03] ePathを基盤とする治験効率化の仕組み:eWorkSheet

*Kouta Funakoshi1 (1. Center for Clinical and Translational Research)

臨床試験の原資料となり得る電子原データを活用し、電子的データ収集システム(electronic data capture、以後EDC)と連携することで、臨床試験の効率化をする試みが日本でも行われている。
しかし、利用可能なデータが限定されたり、施設に限定されたシステムであったり、治験用の記録と診療録としての記録の二重記載が必要になったりと、普及への壁は依然として高い。
我々は、電子カルテベンダに依存しない標準化電子クリニカルパス(ePath)に注目した。このePathを基盤に、HIS内にEDC連携を可能とする電子ワークシートシステム(eWorkSheet、以後eWS)を構築した(日本医療研究開発機構令和4年度年度先進的臨床研究基盤整備プログラム等)。
eWSは、富士通・NEC・IBMの電子カルテを導入した臨床研究中核病院のうち9施設に導入された。電子カルテ内にクリニカルパスのように診療録として記載することで、臨床試験に必要な原資料が同時に作成され、EDCに連携する。
eWS開発時には、CRC・医師・モニター・データマネージャー、また医療情報の専門家が協力した。eWSの雛形作成・登録、原資料の検証、EDC連携用データの出力までの一連の作業を、治験支援部門で実施可能である。電子原データの利用により治験の効率が向上するだけでなく、原資料そのものの質が向上するシステムとなった。
本ワークショップでは、現在製品化にむけて、複数電子カルテベンダと改善・改修を行なっているePathを基盤とするeWorkSheetの開発状況を報告する。