一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-3-04] ePathを活用したヘルスケアプロセス管理に関する個別化Learning Health System アプリケーションの研究開発

*羽藤 慎二1、仁科 智裕1、砂野 由紀1、中熊 英貴2、山下 貴範3、佐藤 直市3、岡田 美保子4、中島 直樹5 (1. 国立病院機構四国がんセンター、2. 済生会熊本病院、3. 九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター、4. 一般社団法人医療データ活用基盤整備機構、5. 九州大学医学研究院医療情報学講座)

【はじめに】医療等の情報と日常生活の健康情報を最大限に活用するためPersonal Health Record(PHR)の活用が期待されている.しかし,PHRとElectric health Record(EHR)の相互運用性は未だ不十分である.AMED 事業「クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用」(ePath)では,「OAT(Outcome,Assessment,Task)ユニット」を最小単位として診療プロセスを管理する手法を実現した.また,病院システム外へデータ出力する標準リポジトリの実装と標準化データの統合解析基盤の設置により,複数医療施設の改善サイクル「Learning Health System(LHS)」を実証した.このePathの仕組みを活用し,個人LHSスマホアプリをePathと同じプロセス管理情報モデルにより構築し,そのアプリをPHRに内蔵あるいは外付けし,ePathと双方向に連携して,EHRからPHRまでヘルスケアプロセス管理を大きく拡張・個別化することを試みたので報告する.【方法】汎用性が高く,幅広い医療処置に対応可能なLHSアプリを新規開発し,「バイタルモニターデバイス〜LHSアプリ〜電子カルテ」のインターフェースを実装した.【結果】電子カルテの ePath機能を用いてOATユニットに基づく外来化学療法パスを作成した.LHSアプリの開発:電子カルテ(ePath)で設定された項目と判断値を取込む仕組み,PHRアプリに対して結果値をリクエストしOATに反映する仕組み,PHRアプリとLHSアプリの連携について実装した.PHRアプリ:LHSアプリからリクエストに対応する結果値連携,電子カルテデータを取込む仕組みを実装できた.【結論】異なるベンダーの電子カルテやPHRから,個人レベルのヘルスケアプロセス情報をより効率良く収集することが可能な標準的基盤を確立した.