[2-C-1-04] 既設アクセスポイントによるWi-Fiを利用した位置検知システムの実用化に向けた実証検証
Medical Informatics, Wi-Fi, position detection
【目的】現在、位置検知システムは多岐にわたる用途で利用され、その応用範囲は広い。使用されるデバイスも、RF-IDやビーコン、検知センサなどの専用デバイスをはじめとして、その用途や目的によって多様である。今回、医療機関建物内での利用を想定し、既設アクセスポイントによるWi-Fi(Wireless Fidelity)を利用した簡易型位置検知システムについて、その精度や汎用性、利用シーンなどを検証したので報告する。【方法】医療機関建物内での位置検知システムの利用を想定し、既設アクセスポイント(AP)によるWi-Fiを利用した位置検知システムと、専用のBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用した位置検知システムを用いて、位置検知測位精度および検知範囲などを比較した。また、設定したユースケースに基づき、両システムの特性を考慮し、利用における有効性を検討した。【結果】既設アクセスポイントによるWi-Fiを利用した簡易型位置検知システムは、電波の特性上、検知範囲が比較的広く取れるものの、位置検知精度はアクセスポイントの設置場所に大きく依存するため、BLEビーコンを用いた位置検知システムと比較して精度は高くないが、位置特定範囲は広かった。一方、BLEビーコンは電波強度が弱いため検知範囲は狭いものの、ピンポイントでの位置検知が可能であった。【考察・結論】両位置検知システムはそれぞれ検知範囲や検知精度に特徴があり、優越を決めるのではなく、利用シーンによって使い分ける必要がある。高い位置検知精度を必要とする場合には、BLEビーコンなどを使用した専用のシステムが適しており、特定のエリア内での存在確認には、導入コストを低減できる既設アクセスポイントによるWi-Fiを利用したシステムの選択が有用である。
