Japan Association for Medical Informatics

[2-C-3] 医療機器安全対策のための情報科学的アプローチ

Hideto Yokoi1, Daisuke Koide2, Kohei Takahashi3, *Fumiaki Mikami1, Hironobu Minai4, Ayako Yagahara5 (1. Kagawa University Hospital, 2. Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, 3. Chiba University Hospital, 4. Jokoh Co., Ltd., 5. Faculty of Health Sciences, Hokkaido University of Science)

Medical Device, Adverse Event Report, Signal Detection, Adverse Event Terminology, Terminology Mapping

医療機器の安全対策は、医薬品で実施された手法を参考に整備されてきた歴史を持つ。医薬品の安全対策としては、2000年代初頭にICH国際医薬用語集MedDRAを使用した構造化された電子報告システムが国内で運用開始され、2010年前後にはそれらのデータを用いて、対策が必要な副作用発現の可能性を示唆するシグナルディテクション(SD)を含む種々の解析手法が運用されるに至った。医療機器に於いては2020年に、医療機器不具合用語集を用いてラベリングされた報告を、構造化された形で処理できる電子報告システムが稼働開始した。これにより、精度の高い集計処理ができる環境が整い、医療機器でもSD手法が適用できるようになった。一方、国内で作成された不具合用語集と、その後に英語で作成された国際的な用語集の連携を取るためには、精緻な翻訳とマッピングおよび高度な管理手法が必要であることが分かった。本ワークショップでは、SDの共通理解を得るための説明を行った後、医薬品と医療機器の違いを考慮したSD手法適用の取り組み、そして翻訳やマッピングに生成系AI等を用いた学術的支援を行った結果について紹介し、情報科学的にはまだ黎明期である本分野についての今後を議論したい。