[2-C-3-05] 日本における医療機器不具合用語集とその管理手法の最適化について
日本では、医療機器の不具合等の報告に際して、「医療機器不具合用語集」の使用が求められている。この用語集の議論は平成20年3月に開始された。当時の報告様式では、不具合や健康被害の情報をフリーテキストで入力し収集していたが、医療機器の安全対策には迅速かつ正確な情報伝達が不可欠である。報告担当者がそれぞれの言葉で報告する状況では、医療現場、営業担当、報告担当、行政の4者間での情報伝達が正確かつ適切に行えないという課題があった。このため、用語を統一することで、不具合や健康被害の状況を正確かつ適切に伝達する取り組みが始まった。
平成17年に医療機器の添付文書の提供が義務化され、一定の周知が進んだことを受け、医療機器添付文書に記載された事象名(不具合、有害事象)をもとに用語を収集、選定、検討が開始された。また、将来的な国際間での用語整合を見据え、用語と用語の紐づけ、マッピングが行われるようになった。
現在、立ち上げのフェーズを超え、維持管理のフェーズに移行しつつある。維持管理における課題の一つは、98個の用語集と約10,000個の用語を人手で管理することの困難さである。その解決策として、クラウドシステムを基盤とした用語集ハンドリングシステムの導入が進められている。このシステムの特長として、①複数の担当者が分担して作業を進められること、②自動保存機能により原本管理が容易であること、③支援機能の拡充性が高いことが挙げられる。さらに、クラウドシステムの導入により、地域や時間帯に関係なくリアルタイムでの情報共有が可能となり、効率的な維持管理が期待される。
本発表では、維持管理を進める上での課題、追加機能の提案、実証の実施について、これまでの経緯も含めて紹介する。また、今後の展望として、さらなる国際整合性の向上やAIを活用した自動化の可能性についても触れる。
平成17年に医療機器の添付文書の提供が義務化され、一定の周知が進んだことを受け、医療機器添付文書に記載された事象名(不具合、有害事象)をもとに用語を収集、選定、検討が開始された。また、将来的な国際間での用語整合を見据え、用語と用語の紐づけ、マッピングが行われるようになった。
現在、立ち上げのフェーズを超え、維持管理のフェーズに移行しつつある。維持管理における課題の一つは、98個の用語集と約10,000個の用語を人手で管理することの困難さである。その解決策として、クラウドシステムを基盤とした用語集ハンドリングシステムの導入が進められている。このシステムの特長として、①複数の担当者が分担して作業を進められること、②自動保存機能により原本管理が容易であること、③支援機能の拡充性が高いことが挙げられる。さらに、クラウドシステムの導入により、地域や時間帯に関係なくリアルタイムでの情報共有が可能となり、効率的な維持管理が期待される。
本発表では、維持管理を進める上での課題、追加機能の提案、実証の実施について、これまでの経緯も含めて紹介する。また、今後の展望として、さらなる国際整合性の向上やAIを活用した自動化の可能性についても触れる。
