[2-D-1] RWD を利用した観察研究を推進していくための仕組み作り
リアルワールドデータ(RWD)の臨床研究への利活用推進という目的の下、日本を代表する臨床研究の中核となる病院群である臨床研究中核病院の全15病院が協力して取り組んでいる「臨中ネット事業」がある。今まで、共同してRWDを利用するための仕組み作りや体制作りなどを行ってきたが、その過程の中で、単に IT 技術に基づいた物理的なサーバーなどのハード面にとどまらず、運用に関するソフト面での課題整理や仕組み作りも行われている。益々RWDの利活用が盛んになっていくと思われる現状の中、他の施設等でも利用できるようなソフト面での課題解決について今回整理をしたい。本セッションでは、臨中ネットで構築してきた、1研究計画書の作成および倫理審査手続きの効率化、2研究課題受付からデータ提供のフロー、3必要とされる人材育成、4データ提供のための院内体制整備、という 4 つの運用に関する課題とその解決について発表並びに議論を行いたい。単にRWDが抽出出来るだけでは、臨床研究の利活用に結びつかず、運用上のソフト面での課題解決が不可欠である。本セッションでは、今後RWDを意味ある物として利活用していくために、解決しておかないといけないソフト面の整備にスポットを当てて検討を行いたい。実際に多施設において共同して検討を行った際に浮かび上がって来た課題とその解決策は多くの施設に取って有益な情報になると思われる。
