一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-3-04] 匿名LIFE情報における欠損値出現傾向の分析

*藤澤 岬1、高士 直己1、大浦 智子1、土井 剛彦1、大西 丈二1、大寺 祥佑1、島田 裕之1、荒井 秀典1 (1. 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター)

Database、LIFE、Nursing care

【目的】 
科学的介護推進情報システム(LIFE)は2021年度から運用が開始され、2022年度から第三者提供申出の受付が開始された。このLIFEデータの利活用はまだ緒に付いたばかりであり、今後、分析を進めるにあたっては、欠損状況の詳細な評価は必要不可欠である。本研究の目的はLIFE情報の欠損値の出現傾向について分析を行うことである。
【方法】 
介護保険総合データベースのLIFE情報において、2020年度から2021年度の間に全国で要介護1-5の認定が有効な65歳以上の者を対象集団とした。本分析ではLIFE情報のうち、最も加算取得が普及している科学的介護推進体制加算に関連する科学的介護推進情報に焦点を絞った。科学的介護推進情報は89項目から構成され、そのうちBarthel Indexなど一部の項目が入力必須となっている。これら入力必須項目に関して、欠測割合の粗集計を行った。
【結果】 
粗集計の結果、Barthel Indexの欠損値割合は、最小3.1%(食事)から最大3.4%(階段昇降)であった。
【考察・結論】
科学的介護推進情報の各項目に対する粗集計を実施した。その結果、入力必須項目である Barthel Indexの各項目において3%程度の欠損値が存在していた。欠測に関連する要因を探索していくことにより、LIFE情報における入力データの質の向上に資する知見が得られる可能性がある。
【倫理的配慮】
国立長寿医療研究センターの倫理・利益相反委員会にて承認を受けた。