Japan Association for Medical Informatics

[2-D-5-05] AMEDデータ利活用プラットフォーム—健康・医療分野におけるデータ連携基盤を目指して—

*Kazuhito Satou1 (1. Japan Agency for Medical Research and Development)

「AMEDデータ利活用プラットフォーム」は、日本医療研究開発機構(AMED)が支援した研究開発から生み出されたデータの利活用を促進するためのプラットフォームである。既存のデータベースやサービスとの連携も図り、これらデータが各種疾患の研究や医薬品・医療機器の開発等に携わっている大学・企業等の利用者に幅広く利活用される基盤となることを目指している。

本プラットフォームは、上記「利活用個人データ」を収載する「連携拠点」と、同データに付帯するメタデータおよび臨床基本4属性(性別、年代、出身地/居住地、疾患名・ICD-10コード)情報を収載する「連携基盤」から構成される。令和6年8月現在、バイオバンク・ジャパン(BBJ)、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)、東北メディカル・メガバンク計画(TMM)より提供を受けた約2.3万件の全ゲノムデータを収載している。今後はゲノム以外のデータについても、社会的要請の高いものから順次収載していく予定である。連携拠点は東京大学医科学研究所(HGC)、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、国立遺伝学研究所(NII)、国立がん研究センター(NCC)、国立国際医療研究センター(NCGM)の5拠点となっている。連携基盤はセキュリティや拡張性等の観点からクラウド上に構築されている。

連携基盤の利用には申請が必要となるが、研究計画立案のためにメタデータ横断検索やバリアント・アレル頻度検索、DockerやJupyter Notebook環境を提供している。連携拠点の利用には「データ利用審査会」による承認が必要となるが、計算リソースが整備されており、研究計画遂行のために遺伝型インピュテーションサービスやVisiting環境の利用が可能となっている。

本講演では、同プラットフォームにおける「データシェアリングのいま」について紹介する。