[2-E-1] 医薬品安全対策の進化に向けて:AI利活用の展望と課題
pharmacovigilance, artificial intelligence, drug safety
情報技術の発展は、世界中の医療現場における人工知能(AI)活用の基盤を形成している。日本においても、レジストリなどのデータベース構築が進むことで、活用可能な情報が増大しており、高度な分析・処理能力を持つAI技術に対する期待が急速に高まっている。一方で、AI技術の導入にあたっては、データの品質や倫理的な課題にも十分に配慮する必要があり、これらの課題を克服し、信頼性の高いシステムを構築することが不可欠である。
近年、医薬品安全性監視活動(ファーマコビジランス:PV)の分野においても、AI技術の活用が検討されている。国際医学団体協議会(CIOMS)では、PV用AIの活用に関する原則とガイダンスを確立するための議論が進められており、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)でも、PVを含む医薬品ライフサイクル全体にわたるAI活用に向けたガイダンスの作成を目指し、個別症例安全性報告(ICSR)などへのAI活用の実践的な取り組みが進行中である。日本にとって、PV分野におけるAI利活用のための諸要件を体系的に整理し、国内での実装に向けた指針を作成することは、喫緊の課題である。
我々は、本邦におけるPV分野での適切なAI利活用の推進、医薬品の安全管理の向上に資する知見を提供することを目的として、令和5年7月から厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)の「AIを用いた医療情報の医薬品安全への活用に向けた諸要件の調査研究」(研究代表者 国立医薬品食品衛生研究所・荒川憲昭)を開始した。本ワークショップでは、本邦の医薬行政におけるAI活用への展望とともに、研究班のこれまでの検討成果を紹介し、当該結果を基に、製薬企業、IT企業、医療現場、アカデミア、行政とでPV分野でのAI 活用について認識を共有し、今後の活用促進やガイダンス案作成に向けた課題整理をしたい。
近年、医薬品安全性監視活動(ファーマコビジランス:PV)の分野においても、AI技術の活用が検討されている。国際医学団体協議会(CIOMS)では、PV用AIの活用に関する原則とガイダンスを確立するための議論が進められており、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)でも、PVを含む医薬品ライフサイクル全体にわたるAI活用に向けたガイダンスの作成を目指し、個別症例安全性報告(ICSR)などへのAI活用の実践的な取り組みが進行中である。日本にとって、PV分野におけるAI利活用のための諸要件を体系的に整理し、国内での実装に向けた指針を作成することは、喫緊の課題である。
我々は、本邦におけるPV分野での適切なAI利活用の推進、医薬品の安全管理の向上に資する知見を提供することを目的として、令和5年7月から厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)の「AIを用いた医療情報の医薬品安全への活用に向けた諸要件の調査研究」(研究代表者 国立医薬品食品衛生研究所・荒川憲昭)を開始した。本ワークショップでは、本邦の医薬行政におけるAI活用への展望とともに、研究班のこれまでの検討成果を紹介し、当該結果を基に、製薬企業、IT企業、医療現場、アカデミア、行政とでPV分野でのAI 活用について認識を共有し、今後の活用促進やガイダンス案作成に向けた課題整理をしたい。
