Japan Association for Medical Informatics

[2-E-1-02] 欧米規制当局におけるPV分野へのAI活用に向けた取り組み

*Kimie Sai1 (1. National Insititute of Health Sciences)

昨今の人工知能(Artificial Intelligence: AI)/機械学習(Machine Learning: ML)技術の急速な進展により、医薬品分野においても、開発から市販後の安全性監視活動(Pharmacovigilance: PV)を含め、医薬品ライフサイクル全体にわたるAI導入に向けた取り組みが、世界各国で加速している。米国食品医薬品局(FDA)では、2023年5月に、医薬品・生物製剤の(PV領域を含む)開発プロセス全般におけるAI&ML活用に関するディスカッションペーパーを発表し、広く意見が募集された(2023/5/11~2023/8/9)。また、2024年3月には、医薬品・医療機器のライフサイクル全体にわたる AI の開発と使用に関して、FDAの関連部門が連携して取り組む重点領域が発表された。欧州医薬品庁(EMA)においても、医薬品ライフサイクル全体におけるAI活用に関するリフレクションペーパーが発表され、広く意見が募集されたほか(2023/7/19~2023/12/31)、2023年12月には、欧州医薬品規制首脳会議(HMA)-EMA合同ビッグデータ運営グループ による医薬品規制へのAI導入ワークプラン(2023-2028)が更新され、PV向けのAI活用ガイダンスの検討も言及されている。また、欧米規制当局では、特に個別症例安全性報告(ICSR)の分析・評価プロセスの効率化に向けたAI活用への期待が高く、実践的な取り組が進められている。本ワークショップでは、主に欧米規制当局におけるAI導入に向けた取り組みの動向について紹介し、今後の本邦におけるガイダンス案の作成に向けた検討課題について考察したい。