[2-E-1-03] 国内外のファーマコビジランス領域におけるAI活用研究に関する文献調査
近年、情報技術の急速な進歩に伴い、人工知能(AI)の活用は一般的なものになりつつある。特に生成AIをはじめとしたAIの社会実装が数多く試みられている。諸外国では信頼性を備えた「AIのための倫理ガイドライン(2019年): EU」、「人工知能に関する理事会勧告(2019年): OECD」、「AIの倫理に関する勧告(2021年): UNESCO、「EU AI Act(2023年): EU」などといったAIを開発、利用する人々を規制する包括的な法案が合意されるなど、規制が進んでいる。医療の分野においても、画像診断技術への適用、診断・治療支援などAIを用いたヘルスケア関連プログラムの開発が盛んに進められており、創薬においても探索研究から臨床研究および市販後調査まで、AIが欠かせないものになってきている。米国食品医薬品局は、AIまたは機械学習による医薬品開発の促進および患者の安全性確保のための柔軟なリスクベースの規制の枠組みを検討しているが、日本においてはまだ十分な検討がなされておらず、AIに関する懸念やリスクへの適切な対処が必要と考える。そのためには、まず、国内外のファーマコビジランス領域でのAI活用の動向を知る必要があると考える。そこで、本ワークショップでは、PubMedおよび医学中央雑誌刊行会が作成・運営している国内医学論文情報のインターネット検索サービス「医中誌Web」を用い、ファーマコビジランス領域でのAIを用いた文献を同定し、国内外のファーマコビジランス領域におけるAIの活用動向について検討した結果を紹介する。また、その結果に基づき、今後の本邦におけるガイダンス案の作成に向けた検討課題について考察する。
