Japan Association for Medical Informatics

[2-E-4-02] デジタル田園健康特区での健康医療系サービス実装に関する現状と課題

*Jota Maki1, Yasutomo Nasu2, Jun Sakurai3, Maeda Yoshinobu4 (1. Department of Obstetrics and Gynecology, Okayama University Hospital. Kibichuo Town Project Execution Architect as designated as National Strategic Special Zone, 2. President Okayama University, Kibichuo Town Chief Architect as designated as National Strategic Special Zone, 3. Center for Innovative Clinical Medicine in Okayama University Hospital. Head of the Department of Medical Science, Okayama University Research and Promotion Institute, 4. Department of Hematology, Oncology and Respiratory Medicine, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Science, Hospital director, Okayama University Hospital.)

PHR, Cost, Date Exchange, Well-being, ID

政府が強力に推進するデジタル田園都市国家構想の先導役として、令和4年4月「デジタル田園健康特区」に岡山県吉備中央町が指定された。町からの任命で、アーキテクトとして交付金獲得によるデジタル化実装や規制改革提案の実現に邁進してきたが、3年目の本年度は交付金申請をせず、実装サービスの定着に向け町主体で利用者増進の施策に精を出す年である。既に各サービスデータをPHRとし、データ連携基盤により救急や遠隔診療で活用しているが、コスト、エクスチェンジ、自治体連携モジュール、ID関連という事業継続性確保の課題に対し、守りの対策を実証調査を通じ講じてきたが、地域の活性化、いきいき町づくりでは、攻めの施策も必要である。α;データ提供する住民、β;データ流通させる基盤・サービスを整備する自治体、γ;データ活用する大学・企業、少なくとも三者が存在するデータ利用には、データを第三者提供する時点で、Give&Takeの関係性成立が困難となり、打開策は事業成立のプライマリとなる。企業や研究者が町運営のデータ連携・PHR基盤を利用し活性化させ、前向き研究など同意「要」の研究及びモニターをターゲット化すべく、データ提供する住民へのインセンティブ化を是とするオプトイン方式前提のデジタルモデル構想が必要となる。同意内容に合致するデータ提供等の管理コストの課題、仮名加工情報の第三者提供の原則禁止等、研究データの再利用が困難な課題をクリアーする必要がある。実際に吉備中央町では上述の医療系とのポータルアプリと個人認証の普及を推進しているが、我々の調査では高齢者だと登録に1.5時間程度要する結果を認めた。法的効力を持つ電磁的記録作成のユーザビリティの悪さと信頼性への要求レベルの高さがデジタルでの同意取得や契約行為の普及を阻害している。これらデジタル化の課題を当日はぜひ議論したい。