2019年12月19日に次世代医療基盤法により（一社）ライフデータイニシアティブ（LDI）が第１号の認定匿名加工医療情報作成事業者に認定された。EHRの研究は1995年ごろ開始され、2000年代初頭、宮崎、京都、東京などで地域EHRの実運用を開始、2015年に、政府の次世代医療ICT基盤協議会のもと、全国版として拡張し再開発したのが「千年カルテ」である。蓄積された医療情報の１次・2次利用よって、医学研究の促進、医療の質の向上を実現する。千年カルテでは、サービスを次のように分類している。【ゼロ次利用】電子カルテの結果データのバックアップ【1次利用】EHR：患者や医師等による診療データの共有【1.5次利用】EHRの実名医療データを活用した多様なサービスを展開する。例えば、診療上のリスクの予測（異常値の発見、診断名の真偽、治療法の妥当性）、病院の経営分析など。【２次利用】LDIが作成する匿名加工医療情報を使って、研究者や企業が、研究、開発、各種調査に利用する。
現時点で、医療情報を収集する際使われる共通規格は、XML規格のMedical Markup Languag（以下MML）とHL7 ver.2.5（以下2.5）が主である。厚生労働省主導のHL7 FHIR（以下FHIR）は、普及に時間を要するだろう。将来的には、電子カルテ等から直接FHIRを出力させることが期待されるが、現実にMMLや2.5が混在している状態では、異なる規格を利用者が各自変換して運用せざるを得ない。FHIRで医療情報規格の一本化が達成されるまでは、MML、2.5、FHIRの相互変換を行いつつ運用するのが現実的ある。本稿では、医療情報二次利用プラットフォーム運用におけるデータ形式相互変換（エクスチェンジ）の重要性を中心に述べる。