Japan Association for Medical Informatics

[2-F-1-01] 検査報告書確認システムと半自動リマインド管理システムによる院内周知

*Sayka Kuriki1, Mayumi Kouga1, Kazuhiro Suzuki2,3, Hikaru Takahashi2, Hiroki Nakamura2, Kenichi Kawasaki1, Masahiko Oguchi3 (1. 公益財団法人がん研究会有明病院 医療情報部 診療情報管理室, 2. 公益財団法人がん研究会有明病院 医療情報部 データベース開発室, 3. 公益財団法人がん研究会有明病院 医療情報部)

Medical Informatics, Examination report, Notification of unexplained reports

【背景】報告書の重要所見を患者に説明しなかったことによって、がん治療の開始が遅れるという、重大な医療過誤がたびたび報道されている。
【目的】このような事象を防止するために、画像診断・内視鏡検査・病理診断について、報告書の未開封/未説明を一括管理するPACS検査報告書確認システムを開発し、報告書管理体制加算取得に併せて運用を開始した。当初は、1週間に一度、未開封の報告書について担当医にリマインド通知を手動送信しており、煩雑な関数入力によるExcel集計や、手動での通知内容の入力など、業務負担が大きく作業には半日以上の時間を要していた。リマインド先の医師や責任診療科が異なっていた場合もあり、全医師へ個別にリマインドすることができず、リマインド件数を大幅に減少させることはできなかった。
【方法】検査報告書確認システムと連動した半自動リマインド管理システム(以降「本システム」)を開発した。未開封ステータスのレポート情報をPACS検査報告書確認システムからCSV出力し、本システムのデータベースへ保存する。この作業は毎回必ず行い、新たな未開封ステータスのレポートを取り込むとともに、CSVデータのオーダー番号・患者ID・検査日を用いて、対応する電子カルテのオーダー詳細情報を取得する。リマインド対象外となるデータ(診療科・検査種別で指定)を本システム上で削除したうえで、CSV・電子カルテそれぞれの依頼医名が一致していることを確認し、属性を付与した未開封ステータスのレポート情報を本システムに登録する。本システムでは画面上の操作で依頼科・依頼医の変更が可能であり、付与属性によりリマインド対象の全医師にリマインド通知を自動送信することができる。
【結果】2024年2月から本システムの運用を開始し、作業時間は30%に減少した。全医師宛てに通知を開始したことにより、リマインド件数は4月時点で40%に減少した。
【考察・結論】医師の積極的な報告書確認に繋がった。
【倫理的配慮】院内での業務システム開発のため、特別の配慮なし