Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-06] 業務計画の自動化に向けた一般病棟における看護業務の実態調査

*Kodai Iwamoto1, Sho Mitarai2, Kazumasa Kishimoto1,2,3, Yukiko Mori1,2,3, Chang Liu2, Natsuko Nishida1,3, Tomoko Hikita3, Goshiro Yamamoto3, Tomohiro Kuroda1,2,3 (1. 京都大学大学院情報学研究科, 2. 京都大学大学院医学研究科, 3. 京都大学医学部附属病院)

Nursing Task, Nursing Workflow, Task Prioritization, Survey

【目的】看護師は複数の患者を受け持ちながら、多種多様な業務を並行して実施する必要があり、業務の実施順序を適切に計画することが求められる。一方で、その計画は個々の看護師に委ねられており、どのように計画していくのかについては明らかではない。本研究では、業務計画の自動化に向けて、一般病棟における看護業務の実態を調査し、その特徴の解明を試みる。【方法】京都大学医学部附属病院の一般病棟の看護師に看護業務の実施状況に関わるアンケート調査を行った。115の看護業務それぞれに対して、実施の有無、業務時間、実施判断情報、難易度と優先度について5件法(1~5)で質問した。分析は各業務に対する項目の基本統計量と相関係数の算出、優先度による比較を実施した。【結果】アンケートの回答者は102名、有効回答は55名であった。115の看護業務に対する実施有の割合の平均値は88%、実施時間の平均値は11分、難易度の平均値は2.2、優先度の平均値は4.2であった。実施判断情報は88%の業務で電子カルテと病棟のルール、患者の状態を複合的に活用していた。優先度の上位と下位の業務を比較すると難易度に有意差を認めた。上位には医師の介助や輸血、薬剤関連業務、食事介助、下位には清潔ケアや環境整備があった。相関係数は実施時間と難易度が0.59、難易度と優先度が0.29で有意差を認めた。【考察・結論】結果から、看護業務の全体的特徴は15分以下の業務や難易度の低い業務が多いことを確認できた。また、全体的に優先度が高く、実施順序を決めづらい特徴が示唆される。優先度の低い業務は患者の身体への影響が小さい傾向にあり、看護師個人の裁量で実施できると考えられる。優先度の高い業務は難易度が高く、複数の情報を活用することも確認できた。【倫理的配慮】京都大学医学部附属病院看護部研究審査委員の承認を得て(承認番号:23-037)、実施した。