Japan Association for Medical Informatics

[2-F-5-04] 医療機器メーカでのCopilot for Microsoft 365試験導入による業務時間削減効果の検証

*Shinichi Kijima1, Shinnosuke Iiduka1, Haruki Hoshi1, Hiroyuki Sakuma1, Yuta Maruo1, Hiromitsu Maruyama1, Takashi Muramatsu1, Wataru Matsuzawa1, Yuta Okumura1, Akihiro Sudo1 (1. 日本光電工業株式会社)

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【背景】OpenAI社のChatGPTの登場以降、生成AIへの期待が高まり、オフィスワークにおける様々な作業の自動化や支援の可能性が探られている。弊社では、Microsoft365を導入し、2023年にリリースされたMicrosoft Copilot for Microsoft 365(以下Copilot for Microsoft 365)を試験導入し、業務時間削減の効果を検証するプロジェクトを開始した。経営層は「生成AIは導入するかしないかではなく、いつ導入するかというステージになっており、導入しないと他社から置いて行かれる」という危機感を共有しており、全社導入で30万時間/年が削減できると事前に計算された。
【目的】Copilot for Microsoft 365の導入効果を検証し、社員の業務時間削減に貢献できるかどうかを確認すること。
【方法】300名の生成AIリテラシーが高い社員を対象に、3か月間のプロジェクトを実施。前半で有効なユースケースを洗い出し、後半で評価試験を行った。事務局として参加した社内インフラ部門からCopilot for Microsoft 365ライセンスの一括付与を実行し、社内SNSツール「Viva Engage」に有効なユースケースやアプリごとの使い方を投稿してもらった。ユースケースの中には、特定の医療分野に関する情報収集を行うことや、医療機器の部品代替を行う際に部品検索を実施するなど医療機器メーカである弊社本務の時間削減が可能なものがあった。評価試験はCopilot for Microsoft 365導入の効果を測定するために、Copilot for Microsoft 365を使わずに実施する群とCopilot for Microsoft 365を使い実施する群に層別し、一週間の評価試験期間中に当該業務が発生した際に所要時間を計測することによって算出した。
【結果】アンケートからの想定では年間合計4万時間削減の試算だったが、評価試験での実測値平均をベースに計算すると年間3.5万時間の削減が見込まれるという結果となった。
【考察・結論】業務削減時間の効果を高める要素として、生成AI活用レベル・職種が大きな割合を占めることが示された。また、部門内での情報共有会やユーザでの事例共有会が活用推進に大きな効果があることも分かった。本プロジェクト参加者300人にて,MS365 Copilotによって大きな業務時間削減(300人で3.5万時間/年)が出来ることを示すことが出来た。
【倫理的配慮】該当なし