[2-G-3-03] 次世代医療基盤法下で収集された複数医療機関の電子カルテ情報を基にしたヒストリカルコホート研究の概念実証
The Next Generation Medical Infrastructure Act, Electronic Health Records, Atezolizumab, Non-Small Cell Lung Cancer, Survival Analysis
【目的】日本では国際共同試験成績による新薬承認事例が増えているが、国内実臨床結果が限定的である。製造販売後調査結果等が期待されるが、登録から解析完了までに数年を要することから即時性を持った国内エビデンスを発信することが難しい。この課題を解決する方法の一つとして、次世代医療基盤法認定医療機関によりオプトアウトで収集された電子カルテデータの活用により速やかな国内エビデンス創出が可能と考え、概念実証を行った。
【方法】本研究では、再審査期間中のアテゾリズマブ(遺伝子組換え)(切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を適応症として 1200mg が 2018 年 1 月承認。以下、本剤)の国内実臨床成績算出を試みた。対象は化学療法既治療の非小細胞肺癌患者とした。次世代医療基盤法認定医療機関の電子カルテの構造、非構造データを基にチャートレビューを実施し、RECIST 評価等から無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)を Kaplan -Meier 法にて推定した。転院等追跡不可は打ち切りとした。
【結果】12 施設 75 名が有効性解析対象となった。男性 66.7%、年齢の中央値(最小-最大)は 71 才(32-85)であり、PFS 生存期間中央値は 3.5 ヵ月(95%CI:2.3~8.9ヵ月)であった。OSの生存期間中央値は未到達であり、1 年生存率は 83.0%であった。
【考察・結論】化学療法歴のある切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する本剤の適応は、国際共同第Ⅲ相臨床試験(OAK試験:本剤群425例(国内36例))をpivotalとして承認された。国内36例におけるPFSは4.2ヵ月(95%信頼区間, 2.8-4.4)、OSは21.3ヵ月(95%信頼区間, 11.0-not estimable)である。今回の結果より、次世代医療基盤法認定事業者の電子カルテを基にしたヒストリカルコホート研究で速やかに有効性の評価が可能であると考えた。一方、転院症例の追跡不可など制約条件もあり、治験と実臨床との結果解釈の違いを含めて考察する。
【倫理的配慮】次世代医療基盤法に基づく。
【方法】本研究では、再審査期間中のアテゾリズマブ(遺伝子組換え)(切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を適応症として 1200mg が 2018 年 1 月承認。以下、本剤)の国内実臨床成績算出を試みた。対象は化学療法既治療の非小細胞肺癌患者とした。次世代医療基盤法認定医療機関の電子カルテの構造、非構造データを基にチャートレビューを実施し、RECIST 評価等から無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)を Kaplan -Meier 法にて推定した。転院等追跡不可は打ち切りとした。
【結果】12 施設 75 名が有効性解析対象となった。男性 66.7%、年齢の中央値(最小-最大)は 71 才(32-85)であり、PFS 生存期間中央値は 3.5 ヵ月(95%CI:2.3~8.9ヵ月)であった。OSの生存期間中央値は未到達であり、1 年生存率は 83.0%であった。
【考察・結論】化学療法歴のある切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する本剤の適応は、国際共同第Ⅲ相臨床試験(OAK試験:本剤群425例(国内36例))をpivotalとして承認された。国内36例におけるPFSは4.2ヵ月(95%信頼区間, 2.8-4.4)、OSは21.3ヵ月(95%信頼区間, 11.0-not estimable)である。今回の結果より、次世代医療基盤法認定事業者の電子カルテを基にしたヒストリカルコホート研究で速やかに有効性の評価が可能であると考えた。一方、転院症例の追跡不可など制約条件もあり、治験と実臨床との結果解釈の違いを含めて考察する。
【倫理的配慮】次世代医療基盤法に基づく。
